世界記憶力選手権に参加し、世界の記憶の達人たちを目の当たりにして感じたのは彼らの集中力の凄さでした!
今回は彼らを観察していて集中力に関して気づいたことを書いていきます。
世界記憶力選手権って知ってる?記憶の達人が世界中から大集合!
記憶の達人は集中力のスタミナも凄かった!
ちょっとしたミスが命取りに
メモリースポーツ(記憶力競技)ではちょっとしたミスでも大きな減点になります。
例えば1組のトランプをどれだけ速く記憶するかを競う「SPEED CARD」と呼ばれる種目では、どこかでトランプの並びを間違えてしまえば、そこまでの枚数しか記録に残りません。どれだけ速く記憶したとしても、タイムは一切関係なくなってしまいます。
聞こえてくる数字を順番通りに記憶する「SPOKEN NUMBER」という種目では、間違えたところで即終了です。
100桁記憶したと思っても、仮に5桁目で間違えてしまえば、そこで終了です。その後が全部正解だったとしても記録は4桁です。
HiRo
長時間集中するスタミナが必要
集中力が切れてしまうとうっかりミスも起こりかねませんし、競技中は常に集中力を維持しておかなければいけません。
しかも競技は3日間にわたって朝から夕方まで行われます。
中には「ONE HOUR NUMBER」や「ONE HOUR CARD」と呼ばれる記憶力のマラソンのような競技もあります。
記憶時間が1時間、解答時間が2時間の計3時間の競技が2つもあるのです。1時間ぶっ通しで数字、トランプを記憶し続けるのです。
私はまだ競技経験が浅いこともあり、夕方頃になるともうヘロヘロになっていました。
記憶するスピードもガクッと落ちてきているのがわかりますし、記憶したものを頭の中で復習していても、記憶したはずのイメージが抜け落ちてしまっていたり、集中力や脳のスタミナがなくなってきているのをはっきりと感じられました。
「ONE HOUR CARDS」という1時間かけてトランプを記憶する種目では、トランプを全てイメージに変換して記憶しているのですが、40分を過ぎた頃には描いているイメージが、もう夢なのか現実なのか何なのか分からないような意識が朦朧としている状態になりました(笑)
HiRo
記憶力だけでなく集中力のスタミナも凄い!
そんな私にとっては過酷とも思えるような状況でも、メモリースポーツのトップアスリートたちは大きなミスをすることなく集中力を維持しているのです。
今回の世界選手権では7つの世界新記録が誕生するなど、ミスをするどころか自己ベストを出している選手もたくさんいます。
記憶の達人と呼ばれるメモリースポーツのトップアスリートたちは単に記憶力が凄いというだけではなく、長時間にわたって集中力を維持できる「集中力のスタミナ」も凄いというのを彼らを目の当たりにして実感しました。
ただそれよりも、もっと凄いと感じたことがあります。
それは集中力の高め方!!
世界記憶力選手権のタイムスケジュール
スケジュールはあってないようなもの
世界記憶力選手権ではあらかじめ競技のタイムスケジュールが決められています。
学校の時間割みたいな感じで、ざっくりとこんな感じで時間が決まっているのです。
しかーし!!!
このスケジュールなんて、あってないようなものです。
どの競技も時間通りに始まることはほぼありません。
午前中にやる予定の種目が午後になったりもしました。
これは今大会だけでなく、海外の大会ではほぼいつもこんな感じだそうです。
休憩時間がいつまでかもよく分からないですし、次の競技がいつから始まるかもよくわからないといった状況です。
競技経験がまだ浅い私には集中力のもっていき方がなかなか難しかったです。
HiRo
トップアスリート達ほど余裕がある
オンとオフの切り替えを上手に
私の座席からは右を向いても世界チャンピオンのAlex Mullen選手、勝手に師匠と思い込んでいるNelson Dellis選手らが視界に入ります。
正面にもSimon 選手、左を向いてもJohannes選手など、どこを見渡してもメモリースポーツ界のスーパースターたちがいるので、しばらくは平常心を心がけるだけでも大変でした。
選手についてこちらに詳しく書いています。
世界記憶力選手権って知ってる?記憶の達人が世界中から大集合!
休憩中にも意識して呼吸を整えたり、イメージの中で記憶の宮殿を歩いたりしていました。
しかし周りの選手たちをあらためて観察してみると、
トップアスリートたちほど余裕を持っているように感じられました。
競技の合間でも記念撮影に応えていたり、他の選手と雑談していたり、みんな自然体で過ごしていました。
大会は3日間、朝から夕方までの長丁場なので、ずっと神経をとがらせているのではなく、彼らのようにオンとオフを上手に切り替えることが必要なのでしょう。
1分間で一気に集中モードへ
1分間の使い方が成績にも影響する
そしていざ競技が始まるとなると会場の空気も一変してきます。
空調の音が聞こえるくらいに静まり返り、緊張感につつまれます。
記憶力選手権では各種目の前に必ず1分間の「Mental Preparation Time」と呼ばれるものがあります。
陸上競技でいうところの、「位置について、よーい、ドン!」の「よーい」に当たる部分みたいなものです。
HiRo
この1分間の使い方は各自自由なのですが、この1分の間に呼吸を整えたり、瞑想をしたりして、集中力を高めて競技開始に備えるのです。
トップアスリートたちはこの1分間の使い方がうまく、この1分間で一気に集中力を高めてギアを全快に切り替えることができるから、休憩中でもゆっくり談笑していられるのではないかと思います。
現にこの1分間の使い方だけで成績に大きく影響するという選手もいますし、日頃から瞑想や呼吸法をトレーニングとして取り入れている選手もいます。
1分間で緊張感も高まってくる
私はこの1分間の使い方がすごく下手くそです…
本来は1分間で集中力を高めつつ、ある程度リラックスもしないといけないのですが、まだ競技経験が浅いのもあって、私の場合は「あぁ~もうすぐ始まる~」とか思うと、余計に緊張してきちゃいます。。。
特に世界選手権のスピードカードの時なんて、イヤーマフをしていると、
「ドクン!ドクン!ドクン!」と自分の鼓動が速くなっているのが聞こえてくるくらいでしたから…
HiRo
でも大会の緊張感ってそれくらいすごいのですよ。
今もこれを書きながら、大会の時の様子を思い出しただけでも鼓動が速くなってきました(笑)
1分で集中力を高めるスイッチ
メモリースポーツというのはメンタルの状態にすごく影響を受けやすい競技です。
緊張していたり、うまく集中できていなかったりすると、なかなか思うようにイメージが浮かんでこなかったり、覚えたつもりのイメージが飛んでしまったりします。
しかし世界記憶力選手権に出場しているトップアスリートたちはそんな中でも、会場の緊張感に飲み込まれることもなく、自分のパフォーマンスを存分に発揮しています。
ついさっきまで談笑していたり、記念撮影に応えていたのが、「Mental Preparation Time」と呼ばれる1分間でスイッチを切り替えるかのように集中力を一気に高めていくのです。
彼らは単に記憶のスキルが高いだけではなく、プレシャーがかかるような状況でも自分のパフォーマンスを存分に発揮する集中力やメンタルも持ち合わせているのです。
1分間で集中力を高めるスイッチのようなものをもっているのです。
「しゅ~ちゅ~りょく、スイッチ~!」
HiRo
まとめ
まとめると、記憶の達人たちは「しゅ~ちゅ~りょく、スイッチ~!」を持ってます。
- 3日間にわたる長丁場でも平気な集中力のスタミナ
- 1分間で集中力をMAXに高められる集中力のスイッチ
この二つを持ち合わせていました。
単に記憶力がいいだけでなく、集中力も凄かったのです。
逆に言うと、集中力が凄いからこそ長時間のトレーニングが平気だったり、集中してたくさんのことが覚えられて、記憶の達人になれたのかもしれませんね。
いずれにせよ、記憶の達人たちは記憶力だけでなく、集中力も凄いのでした~!