前回は他のシステムを試してみたくなったら、どんどん試してみようというお話でしたが、システムを変更する時にはいくつかの注意点もあります。
今回はそんなシステム変更の注意点について書いてみます。
システム変更にはリスクも伴う
大事なので真っ先に伝えておきますが、システムを変えたからと言って、たくさん記憶できるようになるとか、スピードが速くなるとは限りません。
一流プレーヤーがやっているテクニックだからといって、必ずしも自分も同じように伸びるとは限りません。
HiRo
野球選手でも打撃フォームを改造する選手がいますよね。
フォームを改造して飛躍的に成績が伸びる選手もいれば、フォーム改造が裏目に出て成績が下がってしまう選手だっています。
記憶のシステムを変えることは、野球でいうところの打撃フォーム改造みたいなものです。
システムが合わなかったり、システムが馴染まなかったりして、前よりもタイムや成績が落ちてしまうことだってあり得ます。
システムを変更することにはリスクも伴うので、そのことを頭に入れておきましょう。
HiRo
一時的にスピードも成績も落ちる
システムを変えると今よりも一時的にスピードも成績も落ちます。
今まで右手でお箸を持ってご飯を食べていたのを、左手でお箸を持って食べるようなものです。
同じことをするにしても、初めのうちは慣れていなくてぎこちないものです。
私も何度か経験していますが、システムを変える時ってけっこう不安なんですよね。
- こんなのでうまくいくのかな~
- このまま全然伸びなかったらどうしよう
- こんなことなら変えるんじゃなかった…
こういった気持ちも出てくると思います。
でも、この時に大事なのは焦らずにじっくり慣らしていくことだと思います。
システムを変えた時にタイムや成績が落ち込むことは誰にでもあることなので、あまり不安がらずにトレーニングを続けていきましょう。
HiRo
変更するタイミングを見計らう
システムを変更すると、馴染むまでにはしばらくの時間が必要になります。
特に複雑なシステムになればなるほど時間もかかると思います。
これから大会を控えている人、近いうちに合コンなどでトランプ記憶を披露しようと思っているような人は、システムを変更するのは控えた方がいいかもしれません。
私は昨年の世界記憶力選手権に出場する1ヶ月くらい前から、数字だけ記憶のシステムを変えることにしてみました。
数字を2桁ごとに区切って、1つの場所に2つのイメージを置くといった方法に変更してみたのです。
初めのうちはかなり違和感があったけれど、「1ヶ月くらいあれば馴染むだろう」くらいに考えていました。
しかし・・・
結局本番でも違和感は残ったままで、スピードは出ないし、ミスは出るしで、苦い経験になりました。
これから大会などを控えている人はタイミングを見計らってからシステムを変えるようにしましょう。
HiRo
システムにこだわりすぎない
成績が伸び悩んでくると、
- 今のシステムが悪いのかな…
- 一流プレーヤーが使っているシステムじゃないと伸びないのかな?
こんな考えも浮かんでくると思います。
私自身もPAOシステムに憧れていた時期がありましたし、2Cardシステムをやろうとして途中で挫折した経験もあります。
他の選手に助言やヒントを求めたこともあります。
そしていろいろ試してみて感じるのは、
どのシステムがいいかというよりも、どのシステムが自分にあっているか
だと思います。
どのシステムでも優れた成績を残している選手はいますし、システムを変えないと上を目指せないというわけでもありません。
自分に合うシステムを探していろいろと試してみることはよいと思いますが、システム変更にこだわる必要もないと思っています。
野球でもイチロー選手の打撃フォームを真似したからといって打てるようになるとは限りませんよね。
個性的な打撃フォームでも成績を残している選手もいます。
記憶のシステムもそれと同じで、システムを変えないと上を目指せないということはありません。
毎年のように打撃フォーム改造がニュースになる選手もいたりしますが、記憶のシステムにこだわり過ぎて、同じようなことにならないように気を付けましょう(笑)
HiRo
失敗も糧になる
- システム変更にはリスクも伴う
- 一時的にスピードも成績も落ちる
- 変更するタイミングを見計らう
- システムにはこだわりすぎない
ここまで4つの注意点を書いてきましたが、システム変更にはリスクもあれば得るものもあります。
たとえ他のシステムに挑戦してみて、それがうまくいかなかったとしても、その過程で発見するもの、得られるものはたくさんあります。
その経験は無駄にはなりませんし、今後の糧になります。
また以前のシステムに戻したとしても、その時はまた前よりもパワーアップするに違いありません。
例えるならメジャーリーグに挑戦して、通用せずに日本に戻ってきたけれど、メジャーでの経験を糧にして、また日本のプロ野球で活躍するみたいな感じで。
HiRo
前回も書いたように、他のシステムを試してみることで、今までとは違った景色も見えてきます。
今回の注意点を踏まえながら、失敗を恐れずに違ったシステムにもどんどんチャレンジしてみてください。
HiRo