- 英語をいちいち頭の中で訳さない
- 英語を英語のまま理解しましょう
- 英語の語順のまま前から意味をとりましょう
こういったことを言う人がいますよね。
言ってることはよくわかります。理屈としても理解できます。
でも・・・
それがうまくできないんだよね・・・。
- 「訳すな」って言われても、そんなの無理じゃね?
- 理屈は分かるけど、訳さないと意味わからなくね?
こんな風に思っていた時期もあります。
HiRo
それが記憶術を学び始め、記憶力競技をやるようになってからは、「英語を英語のまま理解する」というのがどういうものなのかがようやくわかってきたように思います。
そこで今回は「英語を英語のまま理解する」を記憶術を通じて体感したというお話です。
トランプ記憶は外国語を学ぶようなもの
まず初めに記憶力競技のスピードカード(トランプ記憶)の話をさせてください。
スピードカードというのはシャッフルされた1組のトランプをどれだけ速く記憶できるかを競う種目です。
実際に見てもらった方が早いので動画を貼っておきますね。
こんな感じで速い人なら10秒台で記憶してしまいます。
トランプを記憶するテクニックについてはこのブログでも詳しく書いているのですが、全てイメージに変換して記憶しています。
そしてイメージに変換するのにはルールが存在します。
ルールに沿ってトランプを1枚1枚解読しながらイメージに変換しているのです。
いわば英語における文法みたいなものです。
トランプ1枚1枚には英単語のように意味があり、トランプをイメージに変換していくのには、英文法のようなルールが存在するといった感じです。
トランプ記憶はある意味、英語(外国語)を学ぶようなものなのです。
世界記憶力選手権で8度優勝したドミニク・オブライエンさんもトランプ記憶のことを新しい言語を憶えるようなものだと言っています。
新しい言語を憶えるようなものだが、一度この新しい言語を習得してしまえば、日々の生活に役立つだけでなく、習得の過程自体が脳のトレーニングになり、集中力が増して記憶力が研ぎ澄まされてくる。
著書の中でこんな風に述べています。
記憶に自信のなかった私が世界記憶力選手権で8回優勝した最強のテクニック
トランプも英語も頭の中で訳している
トランプを考えながら変換している状態
トランプ記憶を始めた頃はトランプを1枚1枚頭の中で考えながら変換している状態です。
たとえばハートの7のイメージをハートの「は」と7(なな)の「な」のゴロをとって、「花」というイメージに変換するというルールを作っていたとします。
すると、ハートの7のカードを見た瞬間に、
- トランプを見る
- えーっと、ハートの7だから、「は」と「な」のゴロをとって「花」だ!
- 花のイメージを描く
こんな段階をたどると思います。
そして次のカードをめくる時も、また同じように変換のルールを考えながらイメージに変換していきます。
これだと頭の中で考えながらなので、当然スピードも遅く、時間もかかります。
英語に例えると
この状態を英語に例えるなら、英語を頭の中で考えながら訳している状態に近いと思います。
例えばこんな例文があったとします。
I bought a new laptop.
これくらいの文章ならいちいち考えなくても、さっと意味がとれる人も多いと思いますが、慣れていない人だと英文を読みながら、
えーっとboughtだから過去形で、他動詞だから後ろに目的がくるよな
みたいに語順や文法構造を考えたり、英語を訳したりしながら読んでいると思います。
トランプを訳さずに理解する
トランプ記憶もしばらくして慣れてくると、だんだんと考えなくてもイメージ変換ができるようになってきます。
- トランプを見る
- えーっと、ハートの7だから、「は」と「な」のゴロをとって「花」だ!
- 花のイメージを描く
この「えーっと・・・」の部分が次第に省略されてくるようになります。
完全になくなるとまではいかなくても、この部分が徐々に短縮されてきます。
カードをみると、「パン!」と花のイメージが浮かんでくる。
トランプを見る → 花のイメージが浮かぶ
次第にそんな状態に近くなってきます。
HiRo
トランプ記憶を速くやるための秘訣
トランプをある程度速く記憶できるようになって分かったのですが、速く記憶するために必要なことは
トランプからイメージへの変換を自動化することです。
「えーっと、これは○○のイメージだから・・・」とか考えない。
いちいち考えなくてもできるようにする。完全に省略とまではいかなくても、ここをできる限り短縮する。
トランプを見た瞬間に、パッとイメージが浮かんでくるのを理想とする。
端的に言うと、
- トランプをいちいち考えない。
- トランプをイメージとして捉える
- トランプをトランプのまま理解する。
こんな感じだということに気づきました。
「トランプをもっと速く覚えられるようになりたいんですけど~」
もしこんな質問を受けたとしたら、こう答えるだろう
「トランプをいちいち訳さない。トランプをイメージとして理解するんだ!」
あれっ・・・
これってもしかして・・・・
英語と言ってること同じだ!
英語もトランプもそのまま理解する
- 英語をいちいち頭の中で訳さない
- 英語を英語のまま理解しましょう
- 英語の語順のまま前から意味をとりましょう
冒頭で挙げたこれ。
トランプ記憶を通じてようやくわかってきました!
英語もトランプも頭の中で訳したりするのではなく、そのまま理解するのが大事なのだということ。
いちいち頭の中で訳したり、文法を考えたりしているから、理解するのに時間もかかるし、理解度も落ちてしまう。
トランプ記憶ならいちいち考えなくても、「トランプ→イメージ」の変換がスムーズにできる自動化の回路を作り上げること。
そして英語でも読んだり、聞いたりしたものを、いちいち頭の中で文構造を考えたり、訳したりしなくても、英語のまま意味を理解できる回路を持つことが大事なのだと思います。
HiRo
そのまま理解する回路を作るには?
「じゃーその回路を作るにはどうすればいいのさ?」
って話になると思うのですが、これは自動化できるまで反復することじゃないかなと思います。
トランプ記憶でも何度も何度も繰り返し反復したからできるようになりました。
繰り返し反復している過程で「トランプ→イメージ」の自動化の回路が徐々に出来上がってきたように思います。
先月ジャパンオープン記憶力選手権に出場してきたのですが、そこにはトランプを18秒で記憶する中国の選手もいました。
記憶力大会の楽しみ方!ジャパンオープン記憶力選手権に出場してきたよ
1組のトランプをたったの18秒で記憶するのですよ!凄すぎますよね。
そんな彼も1日6時間はトレーニングをしているといっていました。
そのまま理解するには何度も何度も反復すること、そして自動化できるまでの一定の量(時間)をこなすことが必要なのだと思います。
あと英語の場合は日本語に訳すクセを取り除くことも必要だと思います。
以前に英単語をイメージ化して覚えるって内容の記事を書きましたが、単語だけでなく文章や会話の時も、日本語を介して理解するよりも、イメージに変換して理解することです。
文章を戻り読みしたり、日本語に訳して理解するというクセを意識的に取り除いていくことも大事ですね。
そしてそういったクセをとりのぞくためにも反復や量(時間)をこなすことが必要にもなります。
まとめ
- トランプ記憶は外国語を学ぶようなもの
- 初めはトランプも頭の中で訳している状態
- トランプも訳さずに理解できるようになる
- 英語もトランプもそのまま理解することが大事
- そのまま理解するには反復と量(時間)をこなすこと
こんな風にトランプ記憶と英語(外国語)の習得はけっこう似ていたりします。
トランプ記憶の習得の過程で語学習得のヒントをつかめることもありますよ。
HiRo