この度、「記憶の宮殿のトリセツ」および「1週間で身につくトランプ記憶のレッスン」を拝読させていただき、大変勉強になりました。ありがとうございます。
HiRo様の記憶の宮殿の管理方法についてお伺いしたく、ご連絡させていただきました。
本文中で記憶の保管庫は1000以上あるとおっしゃっていましたが、それら全てに通し番号を付けられているのでしょうか?それとも、宮殿ごとにそれぞれ分けて一から番号を振られているのでしょうか?
また、宮殿一つに保管庫の数はいくつくらい設定されていて、またその数は宮殿ごとに変動はあるのでしょうか?宮殿をまたぐ記憶に関して工夫されていることなどがあればぜひ教えていただきたいです。
こういった質問のメールをいただきました。
すごくいい質問でしたのでブログ記事としても公開したいと思います。
1つの記憶の宮殿に50の保管庫が基本
宮殿一つに保管庫の数はいくつくらい設定されていて、またその数は宮殿ごとに変動はあるのでしょうか?
これの答えは私の場合は一つの記憶の宮殿に50の保管庫というのを基本形にしています。
1000個以上あるものが一続きになっているというよりは、50ごとに区切った宮殿がいくつもあるといった感じです。
なんで50個なの?と思うかもしれませんね。
なぜ私が50個にしているのかは、3つの理由があります。
記憶力競技にも対応している
私が50個を基本形として作っているのは、記憶力競技にも対応させるためです。
1つの場所(保管庫)に1つのイメージを並べる記憶法でも、トランプなら50枚、数字なら100桁、単語やイメージでも50個を記憶することができ、記憶力競技にも対応しやすいように50個にしています。
メモリーリーグでも数字は最大で80桁ですし、イメージは30個、単語も50個までなので、1つの宮殿で全て対応することができます。
トランプ記憶の場合は52枚なので2つ足りませんが、トランプ記憶用に一応予備として後ろに2つ追加しておき、トランプ記憶にも対応できるようにしています。ただ52だとキリが悪いのでトランプ記憶の時以外は50個として利用しています。
例えば単語を100個覚えたいなら、1つ目の宮殿で50単語を並べて、2つ目の宮殿に残りの50個を並べるといった具合です。
1つの場所に2つとか3つとか複数のイメージを並べることができれば、この2倍3倍の量を記憶することも可能になります。
HiRo
記憶の宮殿が長すぎると慣らすのも大変
私が50個にしている2つ目の理由として、長すぎても慣らすのが大変だからです。
記憶の宮殿って作ったらすぐにスラスラと使いこなせるというわけではありません。戦力してスラスラと使えるようになるまで慣らしていく必要があります。
別に300個とか500個とかの一続きの大きな記憶の宮殿を作ってもいいのですが、その宮殿を馴染ませていくのが結構大変だったりします。
実戦で使いながら慣らしていくこともできますが、前半のほうはよく使うのに、後半は使う機会が少なくて場所ごとにムラが出てくるといったことも起こりえます。
HiRo
それに長すぎると、後で修正するときにも大変だったりします。
記憶の宮殿って作ったらそれで終わりではなくて、後からどんどん改良していく必要があります。
使いにくい場所、紛らわしい場所、イメージが描きにくい場所・・・そういった場所も使っているうちに出てくるでしょうし、場所を削除したり、追加したりする必要も出てくると思います。
最初から大きな宮殿を作ると、後で修正するときにも大変だったりします。
そういった理由もあって私の場合は50個を一つの区切りとしています。
HiRo
100個とか200個とか一続きで大きな宮殿が作れそうな場所でも、50個ごとに区切って作るようにしています。
例えば以前に記憶の宮殿づくりにおすすめした遊園地やテーマパーク。
遊園地やテーマパークを記憶の宮殿にするのもおすすめ。7つのメリットも!
遊園地やテーマパークは敷地も広いですし、個性的なアトラクションも多いですし、記憶の保管庫として最適なものがたくさん見つかると思います。
そういった場合はエリアごとに分けて、こっちで50個の宮殿、あっちで50個の宮殿みたいに、複数に分けて宮殿を作るようにしています。
HiRo
宮殿が短すぎても・・・
トランプ記憶の場合に1つの場所に2つとか3つのイメージを乗せる方法を使えば、トランプ1パックを記憶するのに50個も必要ないですよね。
例えばPAOシステムみたいに3枚のカードを1つのイメージに変換して記憶することができれば、18個の場所で済みます。(3×17=51枚+余り1枚なので18個)
そういった使い方をしている人なら、保管庫の数を減らしてもいいと思います。
記憶術のPAOシステムってどんなもの?ざっくりと説明してみた
ただ私の場合は記憶の宮殿を語学や資格の勉強などにも使っています。
ある程度まとまった数のものを覚えることが多いです。
記憶の宮殿の保管庫の数が少なすぎても、複数の宮殿をいくつも乗り換えて使わないといけなくなります。
例えばテキストの中から100個の項目を記憶するとします。
50個の保管庫を持つ宮殿なら2つあれば済みますよね。
でも20個の保管庫しか持たないものなら5つの宮殿を乗り換えて使う必要があります。
ある程度まとまった数のものでも記憶しやすいように50個くらいにしています。
HiRo
50個じゃ足りない場合は複数の宮殿を使う
記憶の保管庫が50個だと、50個以上のものを覚えるときはどうしているのかという疑問もあると思います。
そういった場合は50個ごとに区切った宮殿を複数にまたがって利用しています。
例えば『金のセンテンス』のテキストを記憶した時の場合。
【TOEIC】金のセンテンスを1冊丸々360文を完全記憶してみてわかった6つのこと
金のセンテンスには全部で360のセンテンスが登場します。
これを記憶した時にも、360個の保管庫がある一つの記憶の宮殿を作ったわけではなく、50個ごとに区切って記憶しています。
50×7つの宮殿で350、残った10にも1つの宮殿を利用し、全部で8つの宮殿に分けて記憶しています。
具体的に挙げると、美容院、歯医者、カフェ、神社、公園など身近なもので1軍クラスを惜しみなく投入しています。
HiRo
宮殿をまたぐ記憶に関して工夫されていることなどがあればぜひ教えていただきたいです。
複数の宮殿をまたぐ場合は、その宮殿をまわる順番にも何かしら規則性やストーリーみたいなものを作っておくとよいと思います。
例えば家から近い順番に回るとか、よく通う順番とか規則性みたいなものを作って順番に回るといいと思います。
あとは例えばこれからデートだとして、まずは美容院でセットしてもらって、歯医者で歯をきれいにして、カフェで待ち合わせて、神社を参拝して、公園に行って・・・みたいなストーリーを作っておくのもよいと思います。
HiRo
ただ英語の暗唱のように何度も繰り返しながら覚えていくようなものは、繰り返しているうちに自然と覚えていくので、それほど気にする必要はないと思います。
テーマパークや遊園地なら一か所で複数の宮殿を作ることも容易だと思うので、遊園地1、遊園地2、遊園地3みたいな感じで、そういったわかりやすいものを続けて使うのもよいと思います。
自分の目的や用途に応じて
ここに書いたものは私のやり方であり、あくまで一例にすぎません。
50個が正しいとかベストとかいう意味ではありません。参考として私のやり方を紹介したまでに過ぎません。
記憶力競技をやらない人にとっては競技に対応している必要もありませんし、ご自身の目的や用途に合わせた記憶の宮殿を作り上げてみてください。
記憶の保管庫の数は、どういった目的で、どういった用途で使うのかによっても違ってくると思います。記憶のテクニックによっても違いが出てくると思います。
トランプ記憶がメインで、PAOシステムで記憶している人なら、50個も必要ありません。18個あれば事が足ります。
トランプ記憶をやらない人にとっては52枚に縛られる必要もありません。
私が50個にしているからといってそれを真似する必要もありません。ご自身のやりやすいスタイルを見つけてみてください。
目的とか用途とかがはっきりしていなくて、今はよくわからないという人は、ひとまず私の50個というのを参考にしてみて、あとからご自身のスタイルに合わせてカスタマイズしていくのもよいかと思います。
記憶力競技には興味がなくて、語学や勉強などに活かしたいという方でも、トランプ記憶は記憶のトレーニングとしても最適なので、トランプ記憶に対応できるくらいの保管庫を作っておくのがお勧めではあります。
HiRo