暗唱って覚えるまでただひたすら音読するだけって思っていないですか?
暗唱のやり方を調べても「ひたすら音読するだけ」「〇〇回口に出す」といったようなわかりきったことしか書かれていないですよね。
そして不思議なことに、記憶の宮殿を使って覚える方法が皆無なのです!
試しに「暗唱_記憶の宮殿」で検索してみてください。
記憶の宮殿を使って覚える方法が1つや2つは出てきてもよさそうに思いますが、びっくりするくらい皆無ですよ。(2022年12月現在)
このブログがひっかかるぐらいだと思います。(トランプ記憶の時のように、しばらくしたら真似たのが出てくるかもしれませんが…)
ここで声を大にして言いたいことがあります!
暗唱する時にも記憶の宮殿を使った方がいいですよー!
記憶の宮殿を使ったほうがずっと効率的に暗唱ができるようになりますよー。
そこで今回は暗唱にも記憶の宮殿を使う理由やメリットについて書いていくことにします。
※この記事は『英語暗唱のレッスン』の1章の内容を一部抜粋し要約、加筆した内容になっています。
この記事の信頼性
私はドラゴンイングリッシュの100文、金のセンテンスの360文を完全に記憶しています。
覚えるときにはもちろん記憶の宮殿を使って覚えました。
スラスラと暗唱できるレベルまでやりこんだのテキストはこの通り色が変わってしまいました。
金のセンテンスが緑のセンテンスに…
暗唱のお陰もあってTOEIC900点を超えることもできました。
私自身が身をもって体験したことなので参考になると思います。
なぜ暗唱にも記憶の宮殿を使うのか?
「順番通りに覚える必要もないし、わざわざ宮殿を使わなくてもよくない?」
「音読しながら覚えればいいじゃん?」
「宮殿を使うほうがやることも増えるし、面倒だし、時間もかかりそう」
そういった疑問もあると思います。
なぜ記憶の宮殿をわざわざ使うのか?
それは記憶の宮殿を使ったほうが圧倒的に覚えやすいから!
記憶の宮殿を使うとやることも増えるし、遠回りに思えるかもしれません。
でも一見遠回りに見えるけれど、こっちの方が実は近道なのです。
トランプや数字といったものを記憶する際にも記憶の宮殿を使いますが、英語暗唱の時にも同じように記憶の宮殿を使った方が圧倒的に記憶しやすくなります。
HiRo
さらには記憶の宮殿を使うことで様々な恩恵が得られます。
ざっと箇条書きにしてみるとこんな感じです。
・記憶しやすくなる
・思い出しやすくなる
・イメージとして捉えられる
・イメージを介した瞬間英作文にもなる
・復習がしやすくなる
・効率的に英単語を記憶できる
このように大きく分けて6つのメリットがあります。
一つ一つ詳しく見ていきたいと思います。
場所のイメージと結びつけることで圧倒的に覚えやすくなる!
世界記憶力選手権という記憶力を競うマニアックな世界大会があるのですが、それに出場している選手たち(メモリーアスリートと呼ばれている)、いわゆる記憶の達人と言われている人たちも記憶の宮殿を使っています。
世界記憶力選手権ではランダムに並んだトランプの束や数字の羅列などを記憶するのですが、そういったものを大量に記憶できるのも記憶の宮殿を使っているからです。
数字の羅列を覚えようと思って、呪文のようにぶつぶつ言いながら覚えようとしても、せいぜい20桁くらいが限度だと思います。30桁ならもう途中で心が折れてくると思います。100桁なら、もうやる前から「無理!」って気持ちになるのではないでしょうか。
メモリーアスリートたちが100桁の数字を1分以内で記憶するといったことを可能にするのも、記憶の宮殿のお陰なのです。
記憶の宮殿という「場所のイメージ」を利用することで、記憶として残りやすくなるのです。
そしてこれは英語を暗唱する時だって同じです。場所のイメージと結び付けた方が断然覚えやすくなるのです。
英語の場合はまだ言語なので、ランダムな数字やトランプみたいに無機質なものではなく、意味を持ったものなので覚えやすいですが、それでも100文、200文・・・とまとまった分量をやろうと思ったら、ただ呪文のように唱えているだけではきつくなってきます。
トランプ記憶をする際に記憶の宮殿を使わずに覚えてくださいと言われたら、それはもう無理ゲーです。
記憶する量や内容にもよりますが、記憶の宮殿を使わずに本1冊を暗唱してくださいと言われたら私にとってはそれはもう無理ゲーに近いです。。。
HiRo
場所のイメージを利用することで思い出すのも楽になる
記憶の宮殿を使うことで記憶しやすくなるだけではなく、思い出すのも楽にしてくれます。
記憶の宮殿は記憶を保管しておく「記憶の保管庫」のような働きをしてくれます。記憶の宮殿という「場所のイメージ」と結び付けて記憶することで、場所のイメージを思い描くだけで記憶を引き出せるようにしてくれるのです。
記憶したものをスムーズに引き出せるようにしてくれるのです。
覚えたと思っても思い出せないことってありますよね。これって記憶力が悪いのではなくて、記憶したものをうまく引き出せない状態なのです。
頭の中のどこかにはその記憶はあるのですが、その記憶をうまく引っ張り出せないのです。
収納に例えるなら、押し入れのどこかには入れたはずなのです。押し入れのどこかには入れたのですが、どこに入れたかが分からなくて取り出すことがうまくできない状態なのです。
記憶の場合もこれとよく似ていて、ただ詰め込むだけではダメなのです。必要な時にさっと取り出せなければ意味がないのです。
それを記憶の宮殿という「記憶の保管庫」に入れておけば、後で引き出すときにも記憶が引き出しやすくなるというわけです。
ここでは記憶の宮殿というのは記憶をスムーズに出し入れできるようにしてくれる「記憶の保管庫」みたいなものだということを理解しておいてください。
記憶というのは収納とよく似ています。ただ詰め込むだけはダメで、必要な時にすぐに取り出せるようにして納めておかなくてはいけません。どこに何があるのかを分かりやすくすれば、記憶でも収納でも引き出すときにサッと取り出すことができるようになります。
記憶の宮殿というのはそういった記憶の整理収納を上手にしてくれるツールみたいなものです。
英語をイメージとして捉えられるようになる
記憶の宮殿を使うには、記憶したいものをイメージに変換する必要があります。
例えばトランプを覚えるときにも、トランプをそのまま覚えるのではなく、イメージに変換して覚えています。
【簡単!】トランプ記憶のやり方!この3ステップで今すぐできる
英文を覚える時も同様にイメージに変換する必要があります。
「英語→イメージ」という工程が必要になります。
例えば「apple」なら、「りんご」という日本語に訳すのではなく、りんごという赤くて丸い果物のイメージを思い浮かべるようにするのです。
「apple」は身近な存在ですし、何度も触れたり食べたりしたこともあると思うので、イメージにも変換しやすい単語だと思います。
これが馴染みが薄かったり、漠然としていたり抽象的な単語だったりするとイメージに変換するのにも難易度が上がります。
例えば「government」(政府)、「silence」(沈黙)、「highly」(非常に)ならあなたならどんなイメージを思い浮かべますか?
難しい英単語ではないので、日本語の意味はすぐに答えられると思いますし、意味も理解できていると思います。でもこれをイメージにするとなると戸惑う人もいると思います。
さらにはこれが単語からフレーズやセンテンスとなると、より難易度が上がっていきます。
日頃から英語をイメージにする習慣がない人にとっては初めのうちはすごく難しく感じることでしょう。
しかし安心してください。これも回数を重ねることで出来るようになっていきます。
今までイメージに変換するということをやってきていなかったので、そういったことに慣れていないだけです。練習することでイメージ化する力がぐんぐんと伸びていきます。
イメージ化する力がついてきて、英語をイメージに変換することに慣れてきたら、英語を英語のままイメージとして捉えることができるようにもなってきます。
英語をいちいち日本語に訳したりしなくても、英語をイメージとして英語のまま理解できるようになってくるのです。
今まで英語を日本語に訳して理解する癖がついていた人も、英語をイメージとして捉えるのが癖づいていきます。
これが記憶の宮殿を使うメリットの1つです。
イメージを介した瞬間英作文にもなる
英文を記憶するときには英語をイメージに変換すると説明しました。
「英語→イメージ」です。
逆に記憶したものを思い出すときには、「イメージ→英語」となります。
イメージを思い浮かべて、そこから英文に復元していきます。
頭の中でイメージを使って瞬間英作文をやるようなものです。
「瞬間英作文」という有名なテキストがあるのをご存じの方も多いと思います。
あれは日本語訳を瞬時に英作文して英語にするというものです。
しかしここでは日本語訳を英語に訳すのではなく、イメージを介して、イメージを英語にしていきます。そうすることで英語をイメージとして捉えることができますし、英語をそのまま英語として理解することもできるようになります。
しかも日本語訳から英語にするみたいに、日本語を経由したりせずに、イメージを介して英語に変換するので、「イメージ→英語」の回路ができてきます。
記憶の宮殿を使って英文を暗唱する過程で、自然と瞬間英作文のようなことを行うことにもなり、「イメージ→英文」の回路も出来上がってくるのです。
テキストいらずで脳内復習が可能に!宮殿を1周するだけ総復習
記憶の宮殿を使うメリットの1つに「復習のしやすさ」があります。
記憶の宮殿を1周するだけで、漏れなく一通り復習することができます。
一度覚えてしまえば、テキストが手元になくても、記憶の宮殿を1周することで漏れなく復習ができるのです。
テキストがなくても脳内で復習ができるので、電車の中、お風呂の中、信号待ちなど、隙間時間でもできるのです。
頭の中で記憶の宮殿の一つ一つの場所をイメージしていくだけでいいのです。
英文の暗唱をするときも、「次はどの文章だっけ?」と迷うこともありません。
記憶の宮殿に並んでいるイメージに従って暗唱するだけでいいのです。
100文暗唱するとしたら100個の場所を順番にまわることで、漏れなく一通り復習することができるのです。
時には思い出せないところ、つまずいてしまうところもあるでしょう。
そういったまだ記憶があやふやなところの発見にも役立ちます。
記憶の宮殿を1周することで、弱点の発見もできるのです。
記憶があやふやなところも見つけやすいので、そういったところを重点的に復習することで、穴をなくすことができます。
記憶の宮殿のメリットの1つとして、「復習のしやすさ」があるというのを理解しておいてください。
暗唱の方が効率的に英単語を記憶できる。文章で記憶すると実践でも役立つ
英単語を記憶するのに記憶の宮殿を使っている人もいると思います。
しかしたくさんの単語を記憶するには、それと同じだけの場所の数が必要になります。
1000個の単語を記憶したければ、1000個の場所の数が必要になります。
(1つの場所に2つや3つの単語を乗せることも可能ではあります)
センテンスで記憶すればこれを凝縮することができます。
例えばTOEIC対策として有名な金のセンテンスは、360のセンテンスに約1500の単語が収録されています。
これを単語ベースで記憶するには1500の場所が必要になりますが、センテンスとして記憶すれば1500の単語を記憶するのに必要な場所は360で済むのです。
特に金のセンテンスはTOEICに頻出の単語を360のセンテンスの中に凝縮してくれているので、この360センテンスを記憶するだけで頻出の1500単語を効率よく記憶することができるのです。
それに単語だけを覚えるよりも、センテンスで記憶した方が実践でも役に立ちやすいです。
英語ってただ単語だけを覚えればいいってものでもないですよね。会話をするには単語から文章を組み立てなければいけませんし、そこには語順だったり、文法だったりも必要になります。
そこでセンテンスで記憶すればその文章をそのまま会話で使うこともできます。さらにはそのセンテンスの型を利用して、単語を入れ替えることで無数のセンテンスを生み出すこともできるのです。
記憶したセンテンスがズバリそのまま使えるシーンはそんなにないかもしれませんが、それを型として利用して単語を入れ替えることで無数のセンテンスが言えるようにもなるのです。
センテンスの実例
例えば金のセンテンスの220番目にはこんな文章が登場します。
「People are browsing potted plants on display under a canopy.」
potted plant(鉢植え)、canopy(天蓋)はTOEICのパート1でよく登場する単語です。
TOEIC対策のテキストなのでこういったTOEIC頻出の単語を効率よく記憶することができますが、この文章を日常生活でそのまま使うといったシーンはほとんどないと思います。
しかしこのセンテンスを記憶していれば、「People are browsing 〇〇」は言えるようになっているので、「potted plant」の単語を入れ替えれば日常でも使えるシーンがありますよね。「people」を「he」に替えたり、「browsing」を「watching」に替えたりすることもできます。
このようにセンテンスで記憶していれば、その型を利用して、無数の表現を言えるようにもなるのです。
センテンスで記憶することで効率的に単語も記憶できますし、実践でも役立ちやすいのです。
まとめ
・記憶しやすくなる
・思い出しやすくなる
・イメージとして捉えられる
・イメージを介した瞬間英作文にもなる
・復習がしやすくなる
・効率的に英単語を記憶できる
記憶の宮殿を使うことでこのようなメリットが得られるのです。
暗唱をするときにはただひたすらぶつぶつ言うだけでなく、記憶の宮殿を使うようにしてみてください。
そうすることで記憶しやすくなるだけでなく、紹介したようなメリットを得ることもできます。
それにただぶつぶつ言うだけじゃなく、記憶の宮殿やイメージを活用することで、飽きにくく楽しく暗唱に取り組むこともできますよ!
記憶の宮殿を使った暗唱のやり方をもっと知りたくなったらこちらにも目を通してみてくださいね。
https://memory-palace.booth.pm/items/4353025
HiRo
公認会計士受験の暗記量がすさまじく記憶の宮殿やストーリー法を使って勉強するようになったのですが、こちらのサイトを見て応用の幅が広いことに気づけました!
年表や事実の羅列のような単純暗記にしか使ってなかったのですが、論証などにも使えないか色々試してみます!
ふじわらさん
コメントありがとうございます!
私も資格試験や語学などでいろんな使い方を試してきましたが、記憶の宮殿はほんと工夫次第でいろんな使い方ができます。
単語や年表のようなものが覚えられるようになったら、どんどん応用的な使い方も試してみてください。
どのような形でイメージに変換し、どのように宮殿に並べるかなど工夫も必要になってきますが、いろいろ試しながら自分のスタイルを作り上げていくのがよいかと思います。
やりながら疑問等出てきましたらまたコメントしてください。
よいご報告が聞ける日を楽しみにしています!
HiRo